皆さん、こんにちは。
大阪府東大阪市を拠点に、不動産の売買や賃貸、リフォームから相続登記まで、住まいに関するご相談を幅広く手掛けるNextHome株式会社です。
土地を相続したものの、「5年以内に売却すると税金が高くなると聞いたけれど本当だろうか」「特例を使って損をせずに手放す方法はないのだろうか」など、疑問や不安を抱えている人もいるでしょう。
確かに5年以内の売却は税率が高く設定されていますが、実は3年以内であれば大幅な節税が可能になる特別控除を利用して、手元に残る現金を増やせるケースがあります。
この記事では、相続した土地の売却を検討している方に向けて、5年以内の売却にかかる税金の仕組みや、3年以内で使える特例、売却後の確定申告の手順について解説します。
相続した土地の扱いに悩んでいて少しでも損を防ぎたい方はもちろん、売却手続きの流れを事前に把握しておきたい方にもわかりやすく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
■5年以内の売却にかかる税金

親から引き継いだ不動産を売却して利益が出た場合、その利益に対して税金がかかります。この税金は、土地を所有していた期間によって計算方法が大きく変わるため、手放すタイミングの見極めが必要です。
・短期譲渡所得の高い税率
土地を売って得た利益のことを「譲渡所得」と呼びます。この譲渡所得にかかる税金(所得税や住民税)は、売却した年の1月1日時点で所有期間が5年以下の「短期譲渡所得」になるか、5年を超える「長期譲渡所得」になるかで税率が大きく異なります。
短期譲渡所得の税率は復興特別所得税を含めて約39%と高く設定されていますが、長期譲渡所得の税率は約20%です。
ここで重要なのは、所有期間の計算方法です。相続した土地の場合、自分が相続した日からではなく、被相続人(亡くなった方)が取得した日から引き継いで計算する仕組みになっています。
たとえば、親が30年前に購入した土地を相続してすぐ売却したケースでは、所有期間は30年として扱われ、低い税率が適用されます。親が数年前に買ったばかりの土地を手放す場合は、高い税率になる可能性があり注意が必要です。
・税金シミュレーション
実際の税額の違いを計算してみましょう。税金は、売却価格から取得費(買ったときの代金)と譲渡費用(不動産会社の仲介手数料や測量にかかった費用など)を引いた利益に対して、先ほどの税率を掛けて算出します。
たとえば、経費を差し引いた利益が1,000万円出たとします。短期譲渡所得に該当する場合、税率は約39%となり納付する税額は約390万円です。一方、長期譲渡所得の場合は税率が約20%となるため、税額は約200万円に軽減されます。
同じ1,000万円の利益でも、所有期間の判定によって支払う税負担に約190万円もの違いが生じます。手元に残る現金を増やすためには、事前に売買時期と税額の概算を把握しておくことが大切です。
■3年以内の売却と特別控除

相続した不動産を一定の期間内に手放すことで、税金の負担を大幅に減らせる特別なルールが存在します。とくに「3年以内」という期限は、手元に残る現金を増やすための重要な節目のタイミングとなります。
・3000万円の特別控除
亡くなった方(被相続人)が一人で住んでいた古い家屋や土地を引き継いだ場合、「空き家の3,000万円特別控除」という制度を活用できる可能性があります。これは、一定の条件を満たして物件を手放すと、利益から最大3,000万円を差し引いて税金を計算できる仕組みです。
たとえば、売却して2,000万円の利益が出たとしても、この制度を適用できれば税金はかかりません。昭和56年5月31日以前に建築された家屋であることや、売主側で建物を解体して更地(何もない状態)にするなどの要件があります。
適用期間は「相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」と期限が定められているため、早めの確認が必要です。
参考:国土交通省「空き家の発生を抑制するための特例措置」
・取得費加算の特例
相続税をすでに納付している場合に使えるのが「取得費加算の特例」です。土地を売って利益が出た際の税金は、売った金額から取得費(買ったときの代金)や手数料などの経費を引いて算出しますが、この特例を使うと、支払った相続税の一部を取得費に上乗せして計算できます。
差し引ける経費が増えるため、結果として譲渡所得(利益)が減り、所得税や住民税の負担を軽くできるメリットがあります。
この特例を利用するためには「相続開始のあった日の翌日から3年10か月以内」に売買を完了しなければなりません。期限を過ぎると特例の対象から外れ、納付する税額が大きく変わる恐れがあるため、スケジュールを意識して活動することが大切です。
■土地をすぐ売却すべき状況

相続した土地の活用予定がない場合は、早期の売却を検討すべきです。不動産は所有しているだけで毎年固定資産税がかかり、年間を通じた草刈りや建物の維持費といったコストも発生します。特に遠方にあって管理の目が届かない空き家は、建物の老朽化が進みやすく、倒壊や不法投棄など近隣トラブルの原因になる恐れもあります。
また、遺産を複数の相続人で分ける遺産分割の場面でも注意が必要です。不動産を共有名義(複数人で所有する状態)にしてしまうと、将来いざ手放そうとしたときに全員の同意が必要になり、手続きが複雑化してしまいます。
土地を売却して現金化してから分配する方法を選べば、公平に分けることができ、後々のトラブルを防ぐことにつながります。維持管理の負担や親族間の関係性を考慮し、早めに不動産会社へ査定を依頼して現在の価値を把握しておくことが重要です。
■土地売却後の確定申告

不動産を売却して取引が完了したあとも、税務署への申告手続きが残っています。申告漏れを防ぐため、対象となる条件や手順を正しく把握しておきましょう。
・確定申告が必要なケース
売却によって利益(譲渡所得)が発生した場合は、原則として確定申告が必要です。また、「空き家の3,000万円特別控除」などの特例を適用して最終的な税額がゼロになる場合でも、特例を利用したことを証明するために申告が義務付けられています。
一方、売った金額より取得費(買ったときの代金)や手数料などの経費のほうが大きく、利益が出なかったケースでは、申告の義務はありません。
・申告で必要となる書類
手続きにはさまざまな書類を用意する必要があります。基本的なものとして、確定申告書や計算明細書のほか、土地の売買契約書のコピー、仲介手数料の領収書などが求められます。
特例を利用する場合は、被相続人の住民票や戸籍謄本など、適用条件を満たしていることを証明する追加の資料も必要です。市区町村の窓口や法務局で集める書類も多いため、余裕を持って準備を進めましょう。
・国税庁が定める申告手順
申告手続きは、不動産を売却した翌年の2月16日から3月15日までの期間内に行います。集めた必要書類をもとに計算式に沿って税額を算出し、税務署へ提出して税金を納付します。
国税庁のホームページにある作成コーナーを利用すれば、画面の案内に従って金額を入力するだけで書類を作成できます。計算が複雑で不安な場合は、専門家である税理士に依頼して申告を代行してもらうことも確実な方法です。
参考:国税庁「申告手続の流れ」
■まとめ

相続した土地の売却は、所有期間やタイミングによって納付する税額が大きく変わるため、計画的な判断が欠かせません。とくに「5年以内」の売却は短期譲渡所得として税率が高くなりますが、「3年10か月以内」の取得費加算の特例や、「3年以内」の空き家の3,000万円特別控除などを適用できれば、結果として手元に残る現金を大幅に増やせる可能性があります。
活用予定がない不動産は、固定資産税などの維持費や建物の老朽化リスクを考慮し、早めの売却・現金化が得策です。売却後には確定申告という重要な手続きも待っています。複雑な税金計算や特例の要件で損をしないためにも、早めに専門家へ相談し、余裕のあるスケジュールで手続きを進めましょう。
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